車椅子ユーザージョナサソのおまけの人生

脊髄損傷を負い車椅子利用者になった男やもめの一人暮らしとか

2012夏 第70期名人戦七番勝負第5局 森内俊之名人vs羽生善治二冠

 5/31(木)、6/1(金)名人戦。ここまで2勝2敗で迎えた第5局。

 後手番の挑戦者羽生二冠の手に応じ、森内名人は横歩取りで堂々と応じる。横歩取りには珍しく長い中盤のねじり合いの後、森内名人が薄い自陣の玉形のまま、一気に激しく攻めかかる。将棋は攻めを仕掛ける方が相手に駒を多く、先に渡す。本局も森内名人が駒を渡しながら、羽生二冠の守り駒を剥がしていき、そのまま勝ちに持っていくか、攻めが途切れてザ・エンドか、といった緊迫する展開になる。最後は自陣で大事な金を2枚取らせながらも羽生二冠の攻めのスピードを遅らせ、攻めの馬を絶妙なタイミングで相手の要の守り駒と刺し違え見事に寄せた。谷川九段の全盛期の光速の寄せのような切れ味だった。

< ↓ 投了図 先手3二龍まで >
将棋第70期名人戦七番勝負第5局の投了図

  ここまで互いに先手が勝ち、森内名人の3勝2敗。統計的にはプロの公式戦で先手後手はほんの僅かに先手の勝率が良い程度である。数年前は後手の勝利が上回ったことさえある。しかし、この2人の組み合わせでは先手が勝つことが多い。次回は羽生二冠の先手となる(最終の7局まで行けば再度振り駒での先手後手が決められる)。森内名人のブレークが見たい。

 いずれにしても「天才の中の天才の中の天才」羽生二冠と「名人戦の神に愛された男」森内名人の対決がまだ見られるのはありがたい。これでなんとかしばらく生きていけそうだ。