ジョナサソのおまけの人生

脊髄損傷を負い車椅子利用者になった男やもめの一人暮らしとか

2019夏 車椅子での自動車バッテリー上がり対応

 車椅子にて自動車のバッテリー上がりの対応をしたので記録しておきます。車椅子ユーザーの方に参考にして頂ければ幸いです。

1. バッテリー上がりの原因

 現在私は褥瘡(床ずれ)の治療のため長期入院中です。病院によっては入院患者は駐車場の利用が禁止されていたり、駐車料金がかかりますが、今回入院中の病院は駐車を申請して許可されると無料で駐車できます。私は身内が近隣にいないため基本的に何でも自分でやらなければならないので利用させてもらっています。ちょくちょく外出して用事をこなす予定だったのですが、今回の入院ではずっと安静にしており、ある程度動けようになるまでの7カ月間はほぼベッド上の生活であったため、エンジンをかけていなかったのでバッテリーが完全に上がりました。

2. 使用ツール

 市販されているジャンプスターターを使いました。実は前回の長期入院時に購入したものでそのとき乗っていた車では何度かやっていたのですが、車を買い替えてからは今回が初めてです。

 前回の長期入院時に初めてバッテリーが上がったときにはクレジットカードのオプションで加入しているロードサービスを利用しました。このとき、割と街中だったのですが電話してからサービス員の到着まで50分くらい待ちました。ロードサービス員が大きなトラックで来られたので車のバッテリー同士をつないでかけてくれるのかと思ったら、小さなカバン位の形状のバッテリーをつないで簡単にエンジンをかけてくれました。その後、バッテリーの劣化による急なエンストなどのトラブルが懸念され、また褥瘡の具合も気になるので自分でバッテリーを購入、交換することを諦め、手近なガソリンスタンドで念のため交換してもらいました。通常自分で換えていた時は4,000円くらいだったと思うのですが、このときは8,000円くらいかかり悲しかったです。

 ロードサービス員には聞きそびれたのですが、きっとそういうものが市販されているだろうと後でネットで調べたらジャンプスターターなるものがまんまと見つかりました。携帯電話やスマホの充電もできてサイズはスマホくらいです。今後もまたバッテリーが上がりそうでロードサービスは長時間待つのも嫌だし、来て頂くのも申し訳ない気持ちになるのでそのとき購入しました。

< ↓ 左がジャンプスターターの本体、右がケーブル・コネクタ >

ジャンプスターターの本体  ジャンプスターターのケーブル・コネクタ

 私が所有しているのは2017年1月に購入したBESTEK 社の BTCSG11(出力5V/12V、5600mAh、税込4,980円(購入時) )です。自動車はラクティス(1300cc)です。その後、ジャンプスターターも進化していると思われます。

3. 作業

3.1. ボンネットを開けて固定する

 実は車椅子利用者にはボンネットを開けて固定するという作業が大変で健常者のようにはできません。重いし、何よりつっかえ棒を差し込む高さまでボンネットを持ち上げたいのですが腕の長さが足りません。フレンドマチック車なのにボンネット周りは通常の仕様なのは残念ですが仕方ありません。

 買い替え前の車ではちょうど車載している工具ケースが良い感じにはさめたのですが、今の車には良いスペースがありません。ということで困っていたら良さそうなものを発見しました。大好きな百均ショップで買ったトングです(これはごついので200円だったかもしれません)。これがベストとは思えませんがなんとか使えそうです。

 トングは手が届かないところのものをつかむため部屋だけでなく車内にも何本か置いてます。同じく百均ショップのマジックハンドより構造がシンプルで強度があり、壊れにくいので愛用しています。入院中の病室でも活躍しており、まだその機会はないですが焼き肉が出ても大丈夫なはずです。

 話はそれましたが、ボンネットの受け側(下側)の縁に良いスペースがあり安定して設置できました。あまりボンネットを大きく開けられませんが、ジャンプスターターをつなぐ作業には十分です。強度、バランス的にもこれくらいの開度が良いのかもしれません。

 ただし、作業中に外れると危険なので自己責任でお願いします。言うまでもないのでしょうが、車椅子利用者が腕まで怪我をすると健常者が怪我をするのと比べ物にならないほど困ると思います。

< ↓ ボンネットを開けトングで支えたところ >

自動車のボンネットを開けトングで支えたところ

3.2. ジャンプスターターをバッテリーに接続する

 バッテリーの端子カバーを外し、ジャンプスターターのクリップではさみます。つなぎ方と順番はいわゆる「プラプラマイマイ」です。すなわちまず、バッテリーのプラス端子とジャンプスターターのプラスのクリップを、次にマイナス同士も同様につなぎます。

 このとき深く(接触面積を大きく)クリップするのがしっかり電流を流すためのコツです。以前乗っていた車はそこがシビアでそこに気付くまで何度かエンジンスタートに失敗していました。

< ↓ バッテリーとジャンプスターターをつないだところ >

バッテリーとジャンプスターターをつないだところ 

3.3. エンジンをかける

 普段のようにエンジンをかけます。

 私の場合、面倒ですが念のため車椅子から自動車に乗り移ります。何かの拍子に走り出したらあせるので。手動ブレーキをロックしてから(私の自動車の場合、インターロックになっています)、エンジンスタートスイッチをオンします。

 これでエンジンがかかりましたが、毎回驚きと感動で誰に対してか分かりませんが圧倒的感謝です。こんな小さなツールで、しかも完全にバッテリーが上がった車のエンジンがかかるのです。しかも今回はボンネットが開けてられないという人生最大に近いピンチをその場にあったトングという意外なものを活用して乗り切ったわけです。

3.4. 片づける

 ケーブルを外して(今度は先にマイナス側を、後からプラス側を外す)、エンジンを切ります。取説にも記載があるようにエンジンがかかったら速やかにジャンプスターターを外します。実際、つなげたまま走行して事故が発生したというニュースもありました。

 本当はしっかり走って充電するなり、バッテリーを新品に交換するのが良いのですが、外出準備をしてなかったので30分ほどエンジンをかけたままにした後に終了しました。次もこれで行けそう、ということが確認できたので今回はこれで良しとしました。

4. その他余談

 車椅子利用者ならではのしょうもない話ですが、このツールの置き場に注意が必要です。

 ジャンプスターターの本体は運転席の横に置いてたので良かったのですが、ケーブルをラゲージルームに置いていて苦労しました。以前は本体もケーブルも共に運転席の横に置いていて、本体はときどきスマホの充電に使うのでそのままにしていたのですが、ケーブルは邪魔で使用機会も滅多にないだろうということでラゲージルームに移して、今回はバックドアを開けるスペース(車椅子が入れる)だけ確保していました。

 それで今回バックドアを開けようとしたのですけど、キーレスエントリー仕様の私の車はバッテリーが上がると運転席の横のドアロックスイッチが作動せず開けられないのです。乗り換え前の古い車では当たり前のように開いたのですが、世の中、電子化の流れでいざというときには逆に困ることもあるものです。

 取説を見たらラゲージルームに入って中からマイナスドライバーでこじ開ける、とか私にとってはご無体なことが書かれていました。リアシートへの移乗もできず(ドアの開度が足りず車椅子を横付けできないため)困っていましたが、リアシートを少し倒せることを思い出して倒してまさぐっていたらなんとかケーブルを見つけられて取り出せました。当然、今回の学習で再びケーブルも前方に戻しておきました。

 以上、ここまでつたない説明をしてきてあれですが、私は頼める相手がいなくて、重度のコミュニケーション能力が著しく低いので一人で作業しましたが、車椅子利用者の一人作業は危険であり、効率も悪く疲れるので可能なら誰かの手を借りることをお勧めします。

 でもこの作業を通じて無力、無能の私でもいざとなればなんとかできることもある、というほのかな希望は持てました。