僭越ながらAmazon Prime Videoで観た連続ドラマ「ドイツ1983年」(シーズン1)の感想とかです。2015年公開のドラマです。冷戦時代にある1983年に東ドイツから西ドイツにスパイとして送り込まれた青年を主人公とした作品です。(Amazon Prime加入はこちらから ⇒ Amazon Prime )
(画像引用元:Amazon Prime Videoサイト )
(1)作品:ドイツ1983年 (原題:Deutschland 83) (シーズン1)
(2)制作国:ドイツ、アメリカ
(3)公開年:2015年
(4)エピソード数、時間:8話、45分~49分/話
(5)キャスト(出演者):ヨナス・ナイ、マリア・シュラーダー、ウルリッヒ・ヌーテン、他
(6)作品概略、あらすじ(序盤のみ)
舞台は冷戦でピリピリした1983年の東ドイツと西ドイツ。
国家人民軍(東ドイツ軍)の24歳の兵士マーティン・ラオホ(ヨナス・ナイ)が偵察総局のレノーラ・ラオホ(マリア・シュラーダー)に西ドイツへのスパイとして勧誘される。レノーラはマーティンの母イングリット・ラオホ(カリーナ・ビーゼ)の姉、すなわち叔母である。マーティンの任務はモーリッツ・シュタムという兵士に成りすまし、ドイツ連邦軍(西ドイツ)のヴォルフガング・エーデル(ウルリッヒ・ヌーテン)将軍の側近となって情報を盗むことである。マーティンはスパイ経験はないが、モーリッシュ同様にチェスが強くサッカーに詳しく成りすまし役として適任と判断されたためである。マーティンは最初は断るがなんやかんやあって受け入れ、スパイの訓練を受けドイツ連邦軍(西ドイツ)に潜入する。
(7)感想
部分的にネタバレあり。
作品の舞台が冷戦時代の東西ドイツでなじみが薄く、学がない自分には楽しめるか不安があったが、アマゾンの高評価レビューの多さに期待して観た。やはりよく分からないところもあったが期待通りに十分に楽しめた。
現実性は薄そうだが、スパイとしての経験がないマーティンが重大な任務を負い、右往左往しながら任務を遂行したり、勇気を持って命令に背いたりしていく展開が面白かった。
成りすましモノは大抵気に入るが、この作品も期待通り楽しめた。
知らない役者ばかりだったが、魅力的な役者が多かった(アレクセイ役のメラーブ・ニニッゼのみイギリスのドラマ「マクマフィア」で見覚えがあった)。
この作品が良かった大きな要因は挿入曲だ。作品舞台の時期の80年代初期の曲がふんだんに使われている。自分はリアルタイムで聞いていたわけではないが、やや遅れて多感な時期によく聞いていた。以下、本作品で印象に残った挿入曲/アーティストを抜粋。
・Major Tom (Coming Home)/Peter Schilling
オープニング曲。知らない曲だったが気に入った。シリウスなドラマシーン集と対照的な「4、3、2、1」という能天気っぽいカウントダウンの声とメロディが癖になる。歌詞の内容は分からないが明るい曲調。元はドイツ語版のアルバムに収録されていた曲を1983年に英語版でリリースしたもの。
・99 Luftballons/Nena
1983年リリース。1980年代に世界的にヒットしたドイツ(西?)の曲と言えばこれだと思う。
・Sweet Dreams/Eurythmics
1983年リリースのヒット曲。
・I’m Not In Love/10cc
これは1975年リリースなので個人的に挿入曲の選択としてはどうかと思うが大好きな曲。たくさんカバーされているロンリネスな感じのヒット曲。
・Modern Love/David Bowie
1983年リリースのヒット曲。
・China Girl/David Bowie
1983年リリースのヒット曲。
・Just The Two Of Us/Grover Washington, Jr.
1981年リリースのヒット曲。グローバーさんの曲はこれしか知らないが大好きな大人っぽい曲。
・Wrapped Around Your Finger/The Police
1983年リリースのヒット曲。ポリスも後にソロ活動するスティングも大好き。ポリスは他にも有名曲があるが、この選曲が渋い。本作品ではラブシーンで効果的に使われていた。後の展開も踏まえてこのドラマの曲が流れるシーンとしては一番印象的かも。
・Jeopardy/The Greg Kihn Band
1983年リリースのヒット曲。グレッグキーンバンドの曲はこれしか知らないが大好きな曲。兄が進学で実家を離れたときに残されていたカセットテープにラジオから録音されていたのを聞いて好きになった。小林克也さんの曲紹介の英語の発音が本格的すぎてバンド名も曲名も長いこと分からず20年くらい経ってそれらを知った。心地よい曲でヒットもしたのに日本では(?)露出が少ないと思われ。本作品ではパーティーのダンス(?)のシーンで自然に使われていた。
・Under Pressure /Queen, David Bowie
1981年リリースのヒット曲。大物アーティスト同士の合作の数少ない大成功例(?)。イントロのベースからしてたまらない。人生のプレッシャーを感じる重要なポイントで何度も頭の中で流れた。本作品では分かりやすいプレッシャーのかかるシーンでは使われず、シーズンの最後にサラッと流していた。
(8)個人的評価:★★★★☆
(Amazonレビューは2020年10月現在、★4.5個(レビュー数31))
(9)登場人物/役柄/役者
主要な登場人物を役名/役柄/役者の順でネタバレをなるべく避けてメモしておく。
●マーティン・ラオホ(愛称(コードネーム?)はコリブリ)/国家人民軍(東ドイツ軍)の24歳の兵士。ドイツ連邦軍(西ドイツ軍)にスパイとして潜入する。/ヨナス・ナイ(Jonas Nay)。
●レノーラ・ラオホ/マーティンの伯母(母イングリットの姉)。偵察総局のエリート職員。/マリア・シュラーダー(Maria Schrader)。
●モーリッツ・シュタム/西ドイツ軍のヴォルフガング・エーデル将軍の側近としてマーティンが成りすます人物。本人は東ドイツ軍に消される。
●ヴォルフガング・エーデル/ドイツ連邦軍(西ドイツ軍)の将軍/ウルリッヒ・ヌーテン(Ulrich Noethen)。
●トビアス・ティッシュビアー/東ドイツの偵察総局のスパイにして法学の教授でもある。マーティンにスパイのテクニックを仕込む。平和活動を指揮したり。/アレクサンダー・バイヤー(Alexander Beyer)。
●アレックス・エーデル/西ドイツ軍の中尉。ヴォルフガングの息子。非武力を望んでいる。/ルドウィッグ・トレプテ(Ludwig Trepte)。
●イングリット・ラオホ/マーティンの母。東ドイツに住んでいる。腎臓に疾患を抱えている。/カリーナ・ビーゼ(Carina Wiese)。
●アネット・シュナイダー/マーティンの恋人の女性。東ドイツで教師をしている。/ゾニア・ゲアハルト(Sonja Gerhardt)。
●ヴァルター・シュベッペンシュテッテ/東ドイツ軍の少将。レノーラの上官。イギリスの歌手ロバート・パーマーに似た渋い男前。/シルヴェスター・グロート(Sylvester Groth)。
●イヴォンヌ・エーデル/アレックスの妹。大学生。歌手を目指している(?)。/リザ・トマシェフスキー(Lisa Tomaschewsky)。
●ウルズラ・エーデル/ヴォルフガング・エーデル将軍の妻。夫婦仲はあまりうまくいっていない。/アンナ・フォン・ベルク(Anna von Berg)。
●レナーテ/ウルズラの妹/ベアテ・メイズ(Beate Maes)。
●マイヤー/NATOの分析官の男性/イェンス・アルビヌシュ(Jens Albinus)。
●ニナ/トビアスの仲間(?)の女性。西ドイツでマーティンのスパイ活動を補助したり、指令を伝えたり。/Lena Lauzemis。
●リンダ・ザイラー/マイヤーの秘書の女性。30歳の独身。ボンでの安全保障会議のパーティー(第2話)でマーティンと出会う。/ニコラ・ケストナー(Nikola Kastner)。
●トーマス・ポジンスキー/アネットの同僚の男性。アネットに思いを寄せている。/ウラジミール・ブルラコフ(Vladimir Burlakov)。
●アーノルド・ジャクソン/西ドイツ駐在のアメリカ軍の将軍/エロル・トロットマン・ヘアウッド(Errol Trotman-Harewood)。
●クラマー/マーティンとアレックスの上官。ヴォルフガング・エーデル将軍からの信頼が厚い。/ゴーデハート・ギーズ(Godehard Giese)。
●フライジンガー/西ドイツの軍事防諜局の男性。アレックス・エーデル中尉の怪しい行動を調査したり。/フィリップ・バルトゥ(Philipp Baltus)。
●フックス/東ドイツ軍の大将/ウーヴェ・プレウス(Uwe Preuss)。
●アレクセイ/東ドイツ軍の男性/メラーブ・ニニッゼ(Merab Ninidze)。
●ネッツ/ウォルフガングの秘書の女性/ミカエラ・カスパー(Michaela Caspar)。
以上、ドラマ「ドイツ1983年」(シーズン1)のレビューでした。