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2021初春 ドラマ評「大いなる遺産」(2011年BBC版)

僭越ながらAmazon Prime Videoで観た連続ドラマ「大いなる遺産」(2011年BBC版)の感想とかです。2011年公開のイギリスの作品です。

ドラマ「大いなる遺産」(2011年BBC版)の紹介画像
(画像引用元:Amazon Prime Videoサイト ) 

(1)作品名:大いなる遺産 (原題:Great Expectations)
(2)制作国:イギリス(BBC)
(3)公開年:2011年
(4)エピソード数、時間:3話、58分/話
(5)キャスト(出演者):ダグラス・ブース、ジリアン・アンダーソン、他
(6)作品概略、あらすじ(序盤のみ)
 原作はイギリスの作家チャールズ・ディケンズの長編小説で何度も映画化、ドラマ化、舞台化されている。本作はイギリスの放送局BBCで制作され2011年に放映されたもの。
 両親を失くし、姉とその夫で鍛冶屋のジョー・ガージャリと叔父パンブルチュックと暮らしている11歳の少年ピップはある日、沼地で脱獄囚の男に逃走の手伝いを強要される。
(7)感想
 原作の存在すらこれまで知らず、著名な作家チャールズ・ディケンズの作品が原作ということを今回知ってこのドラマを観た。それを知ったうえで観たためでもあろうが楽しめた。

 以下、部分的にネタバレあり。

 しっくりこない展開も原作ではもっと丁寧に描かれているはずとか原作執筆当時は斬新だったはずとか逆にそういう時代だったはずとかプラスに脳内で補完して観た。例えば、ミス・ハヴィシャムの壮大な計画がまわりくどくて失敗リスクが多くたまたまうまくいっただけに思えて、通常は嫌いな展開だが、原作はミス・ハヴィシャムがもっと緻密に修正しながらやっているところが描かれているはずと補完したり。でも本来はそういうところは省略せずに違和感を与えないようにドラマ化すべきだし、原作になければ加えるべきだと思う。
 この作品はエステラが美少女、美人という設定が重要だったはず。女優さんは美少女、美人ではあろうがクセがあったと思う。個人的にはそういう女優さんが好きだが、もっと分かりやすい美少女、美人にすべきだったと思う。美少女、美人かどうかは主観的なもので自分の感覚がずれているのだろうか。ミス・ハヴィシャムのセリフで初めてエステラは社交辞令ではなく美少女と認められている設定なのかと分かり、後からあの展開はそういうことだったのかと分かったりした。
 最後に明かされる真実はさらっと説明されてよく理解できなくて、原作を説明したサイトを見て理解した。全体的にかなり省略されていて理解力の乏しい自分には厳しかったが、短いドラマとしてうまくまとめられていたと思う。最後は意外な真実だったが、視聴者を驚かすためだけの出場頻度が高い人物が実は、という奇をてらった落ちではなく、ほとんど記憶にない人が重要だったところも良かった。
 昔の(今も残る?)イギリスの不快な階級社会、人の恐ろしさ、優しさなどを描いた良い作品だと思った。
(8)個人的評価:★★★★☆
(Amazonレビューは2021年1月現在、3.8個(レビュー数7))
(9)登場人物/役柄/役者
主要な登場人物を役名/役柄/役者の順でネタバレをなるべく避けてメモしておく。
フィリップ・ピリップ(ピップ)/幼くして両親と姉以外の兄弟を失くし、姉とその夫で鍛冶屋のジョー・ガージャリ、叔父パンブルチュックと暮らす。屋敷に住む女性ミス・ハヴィシャムにちょくちょく呼ばれ養女エステラの遊び相手をするようになる。/少年期はオスカー・ケネディ(Oscar Kennedy)。青年期はダグラス・ブース(Douglas Booth)。
ジョー・ガージャリ/ピップの姉の夫、すなわち義兄/ショーン・ドゥーリー(Shaun Dooley)。
ピップの姉(役名なし(?)。原作ではジョージアナ・マライア・ガージャリ)/ジョー・ガージャリの妻/クレア・ラッシュブルック(Claire Rushbrook)。
ドルジ・オーリック/子供の頃からジョーの下で働く鍛冶屋の職人。後にハヴィシャム家の門番となる。/ジャック・ロス(Jack Roth)。
エイベル・マグウィッチ/ピップに逃亡の手伝いを強要した脱獄囚の男/レイ・ウィンストン(Ray Winstone)。
ミス・ハヴィシャム/満足荘(屋敷)に住む女性。結婚直前に破談になり精神を病んでいる。養女エステラを育て、ピップをその遊び相手としてちょくちょく呼ぶ。お金持ち。/ジリアン・アンダーソン(Gillian Anderson)。
エステラ/ミス・ハヴィシャムの養女。美少女という設定。/少女期はイジー・メイクル=スモール(Izzy Meikle-Small)。大人期はヴァネッサ・カービー(Vanessa Kirby)。
ハンナ/ハヴィシャム家のメイド(?)。/メアリー・ロスコー(Mary Roscoe)。
ハーバード・ポケット/ハヴィシャムの親戚。少年時代にピップに絡んで殴られた。その後、交際相手の女性クララの件で勘当されロンドンでピップの世話役をしてピップの親友となる。/少年期はエロス・ヴラホス(Eros Vlahos)。青年期はハリー・ロイド(Harry Lloyd)。
パンブルチュック/ピップの叔父。ガージャリ家に同居している。/マーク・アディ(Mark Addy)。
ジャガーズ/ロンドンの弁護士の男性。ピップの財産相続の件の代理人。/デヴィッド・スーシェ(David Suchet)。
ウェミック/ジャガーズの弁護士業務の事務長の男性/ポール・リッター(Paul Ritter)。
クララ/ハーバードが勘当されても交際する女性/パーディタ・ウィークス(Perdita Weeks)。
コンペイソン/ペテン師の男。ミス・ハヴィシャムをだました。/ポール・リス(Paul Rhys)。
ベントリー・ドラムル/ハーバードの同級生の男性。良いとされる家系。/トム・バーク(Tom Burke)。

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 以上、ドラマ「大いなる遺産」のレビューでした。