僭越ながらAmazon Prime Videoで観た連続ドラマ「オリバー・ツイスト」(2007年BBC版)の感想とかです。チャールズ・ディケンズ原作の2007年公開のイギリスの作品です。
(画像引用元:Amzon Prime Videoサイト )
(1)作品名:オリバー・ツイスト (原題:Oliver Twist)
(2)制作国:イギリス(BBC)
(3)公開年:2007年
(4)エピソード数、時間:2話、85分~86分/話
(5)キャスト(出演者):ウィリアム・ミラー、トム・ハーディー、ティモシー・スパール、他
(6)作品概略、あらすじ(序盤のみ)
原作はチャールズ・ディケンズの1837年から1839年に発表された長編小説。
ある夜、妊婦のアグネス・リーフォードがなんとかたどり着いた救貧院で男の子を産んで間もなく亡くなる。孤児となった男の子はオリバー・ツイストと名付けられそこで他の子供たちと共に劣悪な環境で育てられる。そんな暮らしが10年経った頃、オリバーは棺屋の男性サワベリーに2ギニーで買われて救貧院を出て行く。
(7)感想
オリバーに対して温かく支える人が複数いてほっこりした。
計170分くらいにまとめられていて観やすかったが、もう少しじっくり観たかった。原作は読んでいないが、おそらくかなり省略、改変されているのだろうと思いながら観た。
以下、ネタバレあり。
酷い扱いを受けて生きてきたオリバーだが健気で良い子だった。ナンシーにレディーファースト的な気遣いをしたり、ナンシーが責められるのを心配してビルから逃げなかったり、冤罪(共犯に近いが)にあっても真犯人のことを言わなかったり。酷い大人に囲まれていてもあんなに良い子に育つのだろうか。本作では見られなかったが、原作では救貧院のサラとか棺屋のサワベリー辺りがときどき優しさを見せたりしてオリバーの人格形成に影響を与えたのかあとか思った。
スリの相手が偶然ブラウンローだったというのががっかりな設定。オリバーが田舎からはるばるロンドンに出てきてたまたま窃盗団に入り、立読みしていたターゲットがたまたまブラウンローで、たまたま・・・・(以下略)、というのがいかにも作りものっぽくて。世の中、偶然というのはあるがもっと自然な流れで楽しませて欲しい。しかもこの偶然性に誰も驚いてないし。
なぜモンクスがオリバーの生い立ちを知っていたのか分からなかった。見逃したのかも知れないが。アグネス・リーフォードの手紙はサラがずっと持っていたし。「オリバー・ツイスト」は新たな名前だし。アグネスが救貧院に行くのをモンクスが知っていたのか。また、モンクスが偽名まで使っているのに特徴ある顔のあざを見せたままよく知ってなさそうなフェイギンに犯罪を依頼するのも甘いと思った。
コーニー役としてサラ・ランカシャー、サラ役としてニコラ・ウォーカーが出ていた。後にそれぞれ主役でイギリスのドラマ「ハッピー・バレー 復讐の町」の女性巡査部長、「埋もれる殺意」で女性警部を演じる。両シリーズともすごく好きな作品だ。本作ではニコラ・ウォーカーの出番が少なめだったが、サラ・ランカシャーはコーニー役で冷酷さと憎たらしさが良かった。
「ハッピー・バレー 復讐の町」(シーズン1~2)の記事 ⇒ 2020早春 ドラマ評「ハッピー・バレー 復讐の町」(シーズン1~2)
「埋もれる殺意」(シーズン1)の記事 ⇒ 2020春 ドラマ評「埋もれる殺意~39年目の真実~」(シーズン1)
(8)個人的評価:★★★☆☆
(Amazonレビューは2021年2月現在、★4個(レビュー数13))
(9)登場人物/役柄/役者
主要な登場人物を役名/役柄/役者の順でネタバレをなるべく避けてメモしておく。
●オリバー・ツイスト/アグネスが救貧院で産んだ男の子/ウィリアム・ミラー(William Miller)。
●アグネス・リーフォード/オリバーを救貧院で産んですぐ亡くなった女性/マライア・ゲイル(Mariah Gale)。
●バンブル/教区吏の男。オリバー・ツイストの命名者。/グレゴール・フィッシャー(Gregor Fisher)。
●コーニー/救貧院の婦長。夫を亡くしている。/サラ・ランカシャー(Sarah Lancashire)。
●サリー/アグネスの出産に立ち会った救貧院の女性。アグネスから手紙を預かる。/ニコラ・ウォーカー(Nicola Walker)。
●サワベリー/棺屋の男性。救貧院でバンブルからオリバーを2ギニーで買う。/ジョン・セッションズ(John Sessions)。
●シャーロット/棺屋で働く少女。オリバーの先輩。/ルビー・ベンタル(Ruby Bentall)。
●ノア/棺屋で働く少年。オリバーの先輩。/アダム・ギレン(Adam Gillen)。
●サワベリー夫人/サワベリーの妻/ミシェル・ゴメス(Michelle Gomez)。
●ジャック(ドッジャー、ドッジ)/窃盗団の少年。一人でロンドンに飛び出してきて途方に暮れるオリバーを窃盗団に引き入れる。/アダム・アーノルド(Adam Arnold)。
●フェイギン/子供らを集めて窃盗をさせている男/ティモシー・スポール(Timothy Spall)。
●ビル・サイクス/フェイギンの仲間の男。気性が荒い。/トム・ハーディー(Tom Hardy)。
●ナンシー/フェイギン、ビルの仲間の女。ビルと同棲している。/ソフィー・オコネド(Sophie Okonedo)。
●モンクス/フェイギンにオリバーを始末するよう依頼する男。エドワード・ブラウンローの偽名。
●ブラウンロー(ロバート?)/ドッジに財布を盗まれた男性。冤罪で裁判にかけられたオリバーを救い、自宅に受け入れる。/エドワード・フォックス(Edward Fox)。
●ローズ/ロバート(?)の被後見人の女性/モーベン・クリスティー(Morven Christie)。
●ベドウィン/ブラウンロー家のメイド/アンナ・マッセイ(Anna Massey)。
●エドワード・ブラウンロー/ロバートの孫。モンクスと同一人物。/ジュリアン・リンドツット(Julian Rhind-Tutt)。
●ブルズアイ/ビルの飼い犬。
●エゼキエル/フェイギンが飼っている鳥。
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以上、ドラマ「オリバー・ツイスト」(2007年BBC版)のレビューでした。